一般財団法人徳積財団は、懐徳堂開塾300周年を記念し、8月25日(日)に徳積堂と場の道場「BA」(福岡県飯塚市)において、先人たちのご供養とご遺徳を偲び生き方から学び直す実践シンポジウム「懐徳堂300周年供養祭×徳が循環する未来の甦生シンポジウム×ブロックチェーン経済」を開催します。
産業革命以降、物質的にも科学的にも世界は豊かになったように見えますが本当はどうなのか、資本主義の発展と共に人間力は退化し世界経済は行き詰まりを見せています。世間では現代の経済モデルに警鐘を鳴らす人たちも増えてきて様々な場所で経済についての議論や対話がはじまっています。
そんな中で、私たちは改めて「真の経済」とは一体どういうものだったのか、そして新たなテクノロジーとの共存をどうすべきか、これらを歴史や先人の遺徳から学び直すことが大切だと考えています。人類は歴史に学べば、常に方向性を正していくことができるからです。
昨年、大分県国東市の三浦梅園先生の旧宅にて「正徳」をテーマに300周年記念実践シンポジウムを行いました。まさに先人の生き方から徳が循環していた経済の智慧を学び直しました。そこでは「経済には二つの対立する形態がある。乾没(かんぼつ)と経済である。乾没は相手から富を吸いあげる意で、「利をもって利とする」商賈(商人)の術のことをいい、経済は「経世済民」(世を経(おさ)め民を済(すく)う)の意で、「義をもって利とする」ということでした。(『三浦梅園著”価原”』より)本来は利=義であり、それが「真の経済」の意味であるとするのです。
また三浦梅園先生が尊敬していた人物で交流の深かった江戸時代の天文学者の麻田剛立先生がいます。その麻田剛立先生を助けたのが大阪で町民によって創設された自由な私塾、懐徳堂です。この懐徳堂は、今年でちょうど300周年を迎えるため先日、懐徳堂の代々の學主やご縁のある方々のご遺徳を偲び墓前にお祈りしてきました。
天下の台所と呼ばれた大坂で商人の道や経済倫理が後世に磨かれていったのはこの懐徳堂の影響が大きいように思います。その懐徳堂の4代目學主である中井竹山は「商人が商業活動によって得る利益は、武士の知行(土地支配による利益)、農民の作徳(年貢を納めた後に残る純益)に相当する。それらはみな商・士・農それぞれの「義」であり「利」ではない。ただし、分不相応の高い利益を貪るような気持ちを「利欲」といい、これはよこしまな誤った道に落ちるものであり、義に背く行為である」(『蒙養篇』)といいます。これは真の経済と乾没の話と同じです。
この懐徳堂は数々の高徳の人物を輩出し、その中の一人に富永仲基先生がいます。32歳という若さで夭逝されましたが、この人物はその著書の中で三浦梅園先生の「正徳」と同様に「誠の道」の実践を説きました。これは私たちが取り組む徳積の実践、「暮らしの幸福論 暮らしフルネス」と酷似しており大きな衝撃を受けました。
世界経済は利が義から遠ざかり乾没ばかりを追い続けてまさに混迷を深めています。その混迷から目覚めるために本来の経済、「徳が循環する経済」を古今の道に照らし実践することで方向を転換する時機がきているように感じます。
懐徳とは、「徳の意味を深く心に省みる」という意味です。古今問わず、私たちは確かな子孫の未来のために今こそ何をどう実践し、いかに振舞うかが試されています。
今回は、懐徳堂の300年記念供養祭と合わせて徳が循環する経済のシンポジウムを開催します。シンポジウムの先生方は、現代も大阪で懐徳堂の志を継承し哲学カフェ懐徳堂を運営する宮川康子先生。そして慶應義塾大学文学部教授で贈与経済2.0を提唱する荒谷大輔先生。また布施経済を生きる孤高の禅僧、星覚先生。そして徳が循環する経済を実践し徳積財団を運営する野見山広明と共に古の懐徳堂の場を飯塚にある「BA(場の道場)」で甦生して、当時の學問の様子を参加者の皆様と一緒に再現して志を伝承していきたいと思います。
また後半はブロックチェーン技術で開発された徳が循環するシステム、徳積帳の活用や進捗のご報告なども行う予定です。アドバイザーに、株式会社チェーントープの正田英樹社長も迎え「懐かしくて新しい経済の可能性」についてもレクチャーしていただく予定です。
最後に本年7月に逝去された私の恩師であり誰よりもこの会の開催を楽しみにしていた「点塾」(新潟)の塾長、故清水義晴さんに哀悼の誠を捧げたいと思います。
野見山広明
【内 容】
「懐徳堂300周年供養祭×徳が循環する未来の甦生シンポジウム×ブロックチェーン経済」
【日 時】 2024年8月25日(日) 9時~13時(開場:8時45分)
※13時半~14時半まで直会がありますので、よろしければそちらもご参加下さい。
【会 場】 BA(場の道場)及び徳積堂カフェ
〒820-0111 福岡県飯塚市有安848-17
電話番号:0948-52-3221
ファックス番号:0948-52-3222
※駐車場は敷地内にありますのでご利用ください。
【出演者】
宮川 康子 氏 (懐徳堂カフェ 京都産業大学名誉教授 著書『富永仲基と懐徳堂―思想史の前哨』(ぺりかん社)他多数)
荒谷 大輔 氏 (慶応義塾大学文学部教授 著書に贈与経済2.0(株式会社翔泳社)他多数。)
星覚 氏 (曹洞宗雲水 糸島市にてサンガ森の家運営)
野見山 広明 氏 (一般財団法人徳積財団副理事長 株式会社カグヤ代表取締役 著書『暮らしの幸福論 暮らしフルネス』(印刷・製本株式会社博進堂)
【当日のスケジュール】
9時00分~ 徳の循環体験、場のお手入れ等
9時30分~ 懐徳堂300周年記念供養祭
10時00分~ シンポジウム 宮川氏 荒谷氏 星覚氏 野見山氏
11時30分~ ブロックチェーン経済と徳積帳の実践報告
12時00分~ 参加者全員による懐徳堂の甦生、徳談義
13時00分 終了
※自由参加で13時30分より「直会&交流会」
むかしの竈で備長炭を使って炊いた無肥料無農薬の自家製のお米のおむすび。及び伝統在来種の日子鷹菜(高菜漬け)のおむすびや油いため、郷土きのこ汁などをご用意しています。
【参加費】徳積循環経済を動かすために、活動のお布施、喜捨をいただきます。事前にお申込をしていただき、「徳積帳」からご登録をお願いします。おひとりさま、【50トーコン(5,000円)から】ご協力のほどよろしくお願いします。
※徳積帳 https://tokutsumicho.org/
(初めての方、やり方が分からない方は、当日現地でも対応させて頂きます。)
【申 込】事前申込要、8月22日(木)までに、下記公式LINEかメールにてお願いします。(先着30名まで)

メール:info@tokutsumi.or.jp
※上記より申し込みが難しい場合は、お電話(0948-52-3221)にてお知らせください。
皆様のご参加を心よりお待ちしております。

